カスハラ対策

ゲームメーカー任天堂が,顧客から従業員への理不尽な要求を指す「カスタマーハラスメント」(カスハラ)があった場合は修理サービスを行わないと規約に明記したとのニュースが流れました。ニュースによれば任天堂は10月,修理サービスに関する規定にカスハラの項目を追加とのことです。脅迫行為や侮辱発言,長時間の拘束などを例に挙げ,交換や修理を断る場合があるということです。

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは,パワーハラスメントやセクシャルハラスメント同じくハラスメント(いやがらせ)の一種です。消費者や客の立場を利用して,企業に対して理不尽や要求や謝罪を強要することを指します。具体的には,大声暴言で執拗にオペレーターを責める,優位な立場にいることを利用した暴言や特別扱いの要求,制度上対応できないことへの要求などです。

もちろん企業のサービスや商品に対する問い合わせ等には真摯に対応する必要があります。カスハラの判断は,顧客等の要求内容に妥当性はあるか,要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲などに照らして行うことになると思いますが,殴る蹴るなどの暴力行為は直ちにカスハラに該当するとともに刑事罰にも問われる事態です。

カスハラは対応する社員にとっての大きなストレスになり,体調不良や離職を招く可能性があります。かかる事態を放置することにより企業が社員に対する安全配慮義務違反と評価される事態も想定されます。

企業にとってカスハラ対策はいまや必須と言える状況になっています。

今回の任天堂の判断は,社員と会社を守るために前向きな対応だと考えられます。