中小PMIガイドライン

中小企業の経営者の世代交代が進む中、事業承継の一つの有力な手段としてM&Aが広く行われる時代になりました。

M&Aの目的には、売り手側には事業・雇用の継続、買い手側には事業の垂直的または水平的拡大など、さまざまな目的があります。そのような中で、実際にM&Aの成果を上げるには、M&A実行後の経営統合作業であるPMI(Post Merger Integration)が重要になります。

中小PMIガイドラインは、中小企業のM&Aにあたっての経営統合作業に関し、令和4年3月に中小企業庁が策定した指針です。その中でPMIの取組として、①異なる経営方針のもと経営されていた2社の経営の方向性・経営体制・仕組み等の統合を目指す「経営統合」、②経営ビジョンの浸透や、従業員の相互理解、取引先との関係構築等を目指す「信頼関係構築」、③事業(開発・製造、調達・物流、営業・販売)や管理・制度(人事、会計・財務、法務)に関する統合を目指す「業務統合」の三つの領域における指針が示されています。

M&Aの成功のためには、相手方とのマッチングそのものと同程度ないし、それ以上に経営統合作業が重要になります。このようなガイドラインを活用し、M&Aの成果を上げることが望まれます。