所有者不明土地管理制度

昨今、相続が発生しているにもかかわらず、不動産の登記名義が変更されていないなどの理由により、所有者が不明となる土地や建物が多数生じています。このような所有者不明土地(建物)は、適切に管理がされないことにより、周囲に危険などの悪影響を及ぼす場合があります。

2023年4月より施行された所有者不明土地(建物)管理制度は、所有者不明の土地(建物)について、管理の必要があると認められる場合に、裁判所が管理人を選任する制度です。

選任を請求できるのは、所有者不明土地等の管理について利害関係を有する利害関係人であり、土地等の管理不全により不利益を被るおそれがある隣接地の所有者などが利害関係人にあたります。

選任された管理人は、対象の土地等の管理処分権を有し、保存行為、利用・改良行為のほか、裁判所の許可を得ることで、売却、債務の弁済、訴えの提起、(所有者不明建物管理人について)建物の取壊しができるようになります。