クリスマスとハラスメント

このところ企業や自治体のトップのセクハラ疑惑がニュースになっています。

セクシャル・ハラスメント(セクハラ)は,職場において,労働者の意に反する性的な言動が行われ,それを拒否するなどの対応により,解雇,降格,減給などの不利益を受けること(対価型セクハラ)や,性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため,労働者の能力の発揮に悪影響が生じること(環境型セクハラ)を言います。

この職場には会社の社屋内以外でも取引先や商談中,営業上の接待や職場での宴会も該当する場合があります。出張先で上司と部下が食事に出かけその場で不適切な言動があればセクハラと認定される可能性が十分あります。もちろん,セクハラの対象は女性だけではなく,男性から男性,女性から女性,女性から男性という形も当然にセクハラの対象となります。

今年の12月は忘年会も復活し,クリスマス前の繁華街も華やいでにぎわっています。お酒の機会が増えるとつい気が緩んで不適切な言動に及ぶリスクが増えます。

プライバシーに必要以上に立ち入ることもセクハラに該当する可能性がありますので,「クリスマスなのに予定ないの?」「今日は服がいつもより派手だね。デートなの?気合入ってるね」などと言うことはセクハラに該当する可能性が高いです。

「不自由な世の中になった」という企業トップの方のぼやきも耳にする場合がありますが,性別に関係なく不快な気持ちを抱くことなく仕事に集中できる環境を社員に保証するために事業主にはセクハラ・パワハラが職場で起きないように一定の措置を取る義務があります。適切な措置をとっていなかった場合には安全配慮義務違反として企業も損害賠償責任を負う場合があります。

みなが幸せなクリスマスを迎えられるよう,相手の立場に配慮した言動を心掛けたいものです。

メリー・クリスマス