ペットの親権

 

夫婦が何らかの理由で不仲になって別居または離婚に至った場合,愛猫や愛犬などをどちらが引き取るのか,問題になる場合があります。ペットは家族ですので,飼い主としては子どもと同様の愛情を注いで生活している場合がほとんどですので,当然ペットの奪い合いも起こってきます。

「結婚前から飼っていて僕が連れてきたから当然僕の子」

「日ごろの世話は全部私がしているし私になついているから私と話されるなんてこの子がかわいそう」

最近,別居中のペットの世話に係るお金の負担などについての相談も離婚相談の中で話に出るようになってきました。わが子同然のペットの話であれば当然だと思います。

しかしながら,日本の法律においてはペットはあくまで「物」になります。

裁判所において親権を争ったり婚姻費用や養育費の算定根拠にも入りません。財産分与の対象になるものです。

令和5年4月における日本の子どもの数は1435万人,犬猫の飼育頭数は約1588万頭で子どもの数よりも多くなっています。一般社団法人ペットフード協会調べでは飼育世帯当たりの平均飼育頭数は犬で1.25頭,猫で1.76頭で,多くの世帯で多頭飼されているようです。

2頭いたとしても,1頭ずつそれぞれ引き取ることがペットにとって幸せかどうかはケースバイケースです。やはり残念ながら夫婦が不幸にして別々の道を歩むことになった場合,どちらにペットがついていくかはペットにとってどちらと暮らすのが幸せなのかを考えて決めるべきだと考えます。

スペインでは,子どもの場合と同様にペットについても「共同親権(養育権)」を認める法律があるそうです。日本でもいつの日かそのような制度ができるかもしれません。

ペットは癒しを与えてくれます。猫との触れ合いはいわゆる「幸せホルモン」といわれる「オキシトシン」を脳内に放出する効果があるそうです。われわれ人間に幸せを運んでくれるペット自身が不安な生活を送ることがないよう,ペットに寄り添っていきたいものです。