下請法から取適法へ
昨年下請法が改正され、法律の名称も「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(取適法)へと変更され、令和8年1月1日から施行されました。
今回の改正は約20年ぶりの大幅な見直しであり、取引環境の実態に即した制度へ転換することを目的としています。特に、「下請」「親事業者」といった上下関係を想起させる用語が改められ、「中小受託事業者」「委託事業者」という表現が用いられる点が特徴です。
改正の背景には、原材料費やエネルギー価格、人件費の高騰が続く中で、コスト上昇分が取引価格に十分に反映されていないという課題があります。本改正では、価格転嫁を円滑に進めるなど、発注側と受注側の対等な取引関係を確保することが重視されています。適用対象については、従来の資本金基準に加え、従業員数基準が新たに導入され、これまで対象外であった事業者や取引類型も広くカバーされるようになりました。また、運送委託などの取引も新たに規制対象に含まれています。
委託事業者には、取引条件を事前に明示する義務、書面の作成・保存義務、支払期日を守る義務などが課されます。さらに、協議を行わずに一方的に代金を決定する行為や、価格交渉を申し出た受託事業者に対する不利益な取扱いが禁止されます。
今回の改正により、企業においては契約書式や取引慣行を再確認し、法令に適合する体制を整備することが望まれます。

