中小企業の特許出願数コロナ禍でも増加
特許庁の2021年特許行政年次報告書によると,2020年の中小企業の特許出願件数が3万9789件で全体の17.5パーセント(前年比0.5パーセント増)となり比率としては2年連続で過去最高になったそうです。ちなみに海外展開の状況ですが,2020年の中小企業のPCT国際出願件数は5072件で内国人出願における中小企業の出願件数比率は10.4パーセントにすぎません。。
日本の中小企業は約358万社であり全企業数の99.7パーセントを締めます。日本経済における中小企業の担う役割は非常に大きいものですがそれに比して出願件数が決して多いとはいえません。
なお、意匠の出願件数は約9100件(前年比6.0%増)であり全体の41.1パーセント,商標の出願件数は約83000件(前年比12.2パーセント減)であり全体の61.3パーセントを占めております。
ちなみにと都道府県別の中小企業数に対する出願企業数の割合も出ております。特許出願で全国平均を上回る都道府県は東京,神奈川,福井,愛知,京都,大阪で北陸で唯一福井県が全国平均を上回る出願を中小企業がしております。意匠出願で全国平均を上回る都道府県は東京、新潟、岐阜、愛知、大阪、兵庫、奈良、岡山、香川、商標出願は東京、京都、大阪です。
石川も富山もどちらも名前が上がらず寂しい限りです。
中小企業の特許の出願件数が伸びている原因としては中小企業向けの特許料金の減免制度などがあると考えられます。このほか,中小企業向けには外国特許等への出願料などの補助をする制度な様々な補助金制度が存在します。
https://www.jpo.go.jp/support/chusho/shien_gaikokusyutugan.html
ぜひ補助金制度を上手に利用して,各企業の開発の成果を適切に保護するために知的財産権を活用していただきたいものです。