台風と風の盆

台風10号が北陸にも近づいています。既に国内で被害が出始めているようで心配です。

毎年この時期には台風が日本各地に到来し被害を及ぼします。農産物でいうと稲刈り前のものが多く水につかったり稲穂が倒れてしまったりなどする危険があります。ナシなどの果樹も落果などの被害が心配です。

9月1日から3日間,富山県の八尾で越中おわら風の盆が開催されます。おわら風の盆が行われる9月1日は,立春から二百十日目にあたり,台風到来の

シーズンと重なる風の災厄日とされてきました。豊作を祈るとともに,風の災害がおこらないことを願う行事として「風の盆」という呼び名が付けられたと言われています。

このまつりは町中のぼんぼりに淡い灯がともり,揃いの法被や浴衣姿に編笠をつけた踊り手が,三味線,胡弓の地方(じかた)にあわせ踊り,町中を流し歩きます。

歌詞は多くあるのですが印象深いのは囃子で入る「越中で立山 加賀では白山 駿河の富士山 三国一だよ」「唄われよ わしゃ囃す」など胡弓の響きに乗ってくる声でしょうか。踊りの振り付けは,町流しで行う旧おどり(豊年おどり)と舞台用の新おどり(男踊り・女踊り)とがあります。いずれも稲刈りなど農作業の所作を取り入れており人々の願いが込められています。

今年も無事にまつりが開催され,台風の脅威で人々の暮らし農作物に影響を及ぼさないことを祈っています。