救急車は無料?
救急車は事故や急病の時に頼れるなくてはならないものですが近年は迷惑利用が増えてよく話題になります。中には、「蚊に刺されてかゆい」「病院に行くのにタクシー代わりに呼んだ」など想像もつかない利用申し込みもあるとのことです。
令和6年版の救急白書によれば、令和5年中の全国の救急出動件数は7、638、558件、平均約4.1秒に一回の割合で出動しており過去最多とのことです。
利用者の約半数が入院を必要としない軽症者とのデータもあります。
実は私も先日初めて救急車に乗りました。自宅で指を切り、出血が止まらなくなり、かなり傷も深く、ふらつきも感じたので、悩んだ結果、救急車をお願いしました。結果として処置をしていただき、その日のうちに自宅に帰りましたので間違いなく軽症でした。数年前、自宅で転倒し、耳をかなり切ったときには、頑張って自分で病院に行ったのですが、結局7針縫ってふらふらしながら自宅に戻りました。その時よりもひどい症状でしたので、救急車に来ていただき本当に安心でした。軽症の場合に利用は控えるべきともちろん思いますが、利用させていただいて大変心強かった身としてはかなり悩ましいところです。
実は、救急車が無料であると法律で決められているわけではありません。
消防法では「都道府県は、消防機関による救急業務としての傷病者(第二条第九項に規定する傷病者をいう。以下この章において同じ。)の搬送(以下この章において「傷病者の搬送」という。)及び医療機関による当該傷病者の受入れ(以下この章において「傷病者の受入れ」という。)の迅速かつ適切な実施を図るため、傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関する基準(以下この章において「実施基準」という。)を定めなければならない。」(法第35条の5第1条)と定められており、各都道府県で利用料金について定めがないため無料ということであり積極的に無料との定めがあるわけではないようです。実際には、出動一回に約45、000円の費用がかかっており、これが税金で賄われています。
救急車が無料なのは日本以外ではイタリアやイギリスなど少数であり、多くの国では料金を徴収しています。通常あまりに利用が多いため、最近各地で有料化の話題も出ています。
弊所のすぐそばにも消防署があります。消防署員の方が日々、車両や器具の手入れ、訓練にと緊張感をもって仕事に向き合っておられる姿を目にしており、本当にありがたいと感じています。
安心して必要な人が救急車を利用できるよう、みなでこのサービスを支えていかなくてはなりませんね。