祭りと復興
令和6年能登半島地震から半年,いまだ復興道半ばの能登町であばれ祭りが開催されています。
あばれ祭りは能登町宇出津地区で行われる350年以上の歴史を持つキリコ祭りであり,住民にとって神様への感謝と先祖の霊を慰める大切な行事となっています。石川県の無形文化財であり日本遺産にも認定されています。高さ7メートル,約40本の奉燈(キリコ)が町を練り歩き,2基の神輿を海や川,火の中に投げ込んで暴れる勇壮な海の祭典です。この神輿は昼間は町内を練り歩き人々の厄をはらい,夜は水中や火中に投げ込まれることで禊を受けます。
まだまだ公費解体も進まない中ではあり,地元関係者の多くが被災する中ではあるがこんな時こそと開催を決めたそうです。は盆や正月に帰省しなくても祭りには能登を出た人々が故郷に戻る町が一つになる大切な行事です。
今年は地震の影響でキリコの数は32基で観光客の受け入れも制限する中での開催ですが,街中をキリコや神輿が練り歩くさまや元気な掛け声は被災したみなさんに大きな勇気を与えてくれ,復興に向け気持ちを一つにする大切な時間となることと思います。
今年3月,東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県亘理町のいちご農園を訪問しました。亘理町のいちご農家は農地の90パーセント以上が浸水し,津波による塩害で土壌や地下水がイチゴ栽培に利用できなくなったため高設栽培に切り替え産地を復活させました。この亘理町には東日本大震災のときに能登町から職員が派遣され復興支援に当たった縁で,今回の地震の際にも地震発生から間もない1月4日に能登町に対し職員や給水車などが派遣されています。
みなで心を一つにすることで復興への道が開かれていくことでしょう。
一年でも早く,観光客のみなさんも一緒に能登の祭りを楽しんでいただける日まで一緒に頑張りましょう。