ステルスマーケティング規制
ステルスマーケティング(ステマ)とは、消費者に対し、宣伝広告であると気付かれないように行われる宣伝広告活動をいいます。これまで日本においてステマを明示的に禁止する法規制はありませんでしたが、2023年10月1日からステマ規制が導入されることになりました。
今回のステマ規制は、不当景品類及び不当表示法(景表法)第5条(不当な表示の禁止)第3号の「内閣総理大臣が指定するもの」として、内閣府告示第19号により、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」と指定されました。
この告示に関し、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準を消費者庁が決定しています。
この中で、事業者が表示内容の決定に関与し、第三者の自主的な意思による表示内容と認められない場合は事業者の表示に当たるとして、例えばECサイトに出店する事業者が、ブローカーや自らの商品の購入者に依頼して、購入した商品について、ECサイトのレビューを通じて表示させる場合が挙げられています。
これに対し、事業者が第三者の表示に関与したとしても、客観的な状況に基づき、第三者の自主的な意思による表示内容と認められるものであれば、事業者の表示には当たらないとされ、例えば事業者が第三者に対して自らの商品又は役務を無償で提供し、SNS等を通じた表示を行うことを依頼するものの、当該第三者が自主的な意思に基づく内容として表示を行う場合などが挙げられています。
インターネット上の広告宣伝活動については、このようにステマに該当するか否か慎重に検討して進める必要があります。