日本の出版社が漫画海賊版サイトに法的措置
漫画海賊版サイト「漫画BANK」に日本の大手出版社4社が刑事告訴を行う方針だという報道がありました。
「漫画BANK」は日本国内最大規模の漫画の海賊版サイトであり,出版社らはアメリカのグーグルなどを相手にサイト運営者の氏名や住所,電話番号,IPアドレスなどの情報の開示を申し立て,裁判所がこのたび開示命令を出したとのことです。
今後の展開が気になりますね。
以前最大規模だった「漫画村」の運営者は摘発され,今年6月に福岡地裁が著作権法違反で懲役3年,罰金1000万円,追徴金6257万円の判決を受けています。
漫画村の件では権利者団体による調査・推計ですが約3000億円分の出版物がタダ読みされ,漫画家・出版社の収入・売上が20%減少したとの数字も出ています。このような状態が続けば漫画家の収入が激減し,出版社も経営が危ぶまれる事態となるため,日本の重要な文化である漫画文化に回復不可能なダメージを与える可能性もあります。
このため著作権法改正(令和2年改正)で違法にアップロードされた著作物へのリンク情報を集約した「リーチサイト」の規制,いわゆる「リートサイト対策」(著作権法113条等)と,違法にアップロードされた著作物を違法アップロードされたものだと知りながらダウンロードすることを一定の要件の下で違法とする,いわゆる「ダウンロード違法化」(著作権法30条等)がそれぞれ令和2年10月1日と令和3年1月1日から施行になっています。
私のような漫画が大好きな人間としてはただで沢山の漫画を読みたい読者の気持ちもわからないでもないですが,漫画家さんがやる気がでていい作品をどんどん生み出してくれるようにちゃんと対価を支払わなくてはなりませんね。