独占禁止法と知的財産権
弊所に寄せられる知的財産権に関する相談で独占禁止法に関するものがあります。
何が問題になるかと申しますと,特許法1条の目的が「「発明の保護及び利用を図ることにより,発明を奨励し,もって産業の発達に寄与することを目的とする」とあるように知的財産権制度は原則一定期間権利者に独占排他権を与えるものであるのに対し独占禁止法の目的は,公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることであり,独占排他権と相いれないとも考えられるからです。
独占禁止法21条には「この法律の規定は、著作権法、特許法、実用新案法、意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない。」となっており、特許権等に基づく権利行使であっても、そもそも権利の行使と認められない行為には特許右方でなく独占禁止法が適用されるということになっています。
公正取引委員会では「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」を出しています。
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/chitekizaisan_files/chitekizaisangl.pdf
特許権のライセンス契約の条件を定める場合などには参考になる指針です。