起業にあたっての選択
いよいよ春本番から初夏が近づいてきました。コロナ禍の中、新しく事業を始め時代を切り開こうとしている方もいらっしゃると思います。
事業を始めるにあたって、個人事業主として始めるか、法人を設立するかは悩ましい選択です。平成18年の会社法施行に伴い株式会社の最低資本金制度が廃止され、資本金が1円からでも良いこと、発起人の人数は1名から設立可能となり、取締役の人数も取締役会を設置しない場合1名でも良いなど、会社設立のハードルは以前に比べ低くなっています。そこで、以下の点を考慮して個人事業主か法人かを選択すると良いでしょう。
設立については、個人事業主の場合、登記は不要で、税務署等の役所へ開業届を出すことになります。これに対し法人の場合は設立届に加え、定款の作成と登記も必要であり、設立に一定の費用がかかります。
また、個人事業主であれば、赤字となった場合には所得税や住民税の負担はないのに対し、法人に課される法人住民税は、資本金などをもとにした均等割部分が赤字であっても発生します。逆に所得が一定以上になる場合は法人化した方がメリットはあるとされます。さらに個人事業主の場合、従業員5名までは原則として社会保険の加入は任意であるのに対し、法人の場合は,代表者1名でも社会保険の加入は必須となります。
法人化することで事業に対する社会的信用が増し、一般的に資金調達や人材採用においても有利となることが多いこと、代表者が代表取締役の肩書を得られること等のメリットと、上記費用負担等のデメリットを比較検討し、今後の事業展開の規模と方向性を見据えた上で、法人化の適否とタイミングを見極めることが大切になります。
新しく起業し大海原を進んで行く方を当事務所は応援しています。