輪島塗
令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた輪島市の伝統工芸品として輪島塗があります。輪島塗の職人さんの多くが被災され,工房や道具類,ご自宅も損壊・消失などの大きな被害を受けておられます。伝統工芸についてはなかなか技を引き継ぐ若手職人の確保が難しい中,今回の地震で輪島塗は産地として窮地に立たされています。
輪島塗は会津塗(福島),紀州塗(和歌山)とともに日本三大漆器と称されています。原料となる漆の期や器の木地になるケヤキやアテの木が豊富だったことから輪島塗は発展してきました。沈金や蒔絵など美しい加飾,呂色工程で生まれる表面の光沢のほか,漆塗料による防腐性・抗菌性,断熱性に加え,木地と漆の使用により軽くて丈夫な一方で堅牢であることを特徴とします。120もの細かい工程を経ているのであまりリーズナブルではありませんが,欠けても割れても修理による再生が可能ですので何代にもわたって大切に使用することができます。その商品の仕上がりの美しさに加え自然素材を使って半永久的に使用できるSDGsな工芸品です。
度重なる地震で職人さんたちも疲弊しきっておられることと思います。
世界に誇る伝統工芸品を次代につなぐべく弁護士や弁理士が何をお手伝いできるか考えていきたいですね。