2021金融事務方針
8月31日に金融庁から2021事務年度の金融事務方針が公表されました。
金融行政が翌年6月末に向けて何をしようとしているかを示す文書である金融事務方針には、金融機関はもとより、事業会社にとっても注目すべき内容が含まれています。
今年の金融行政における重点課題は、①コロナを乗り越え、力強い経済回復を後押しする、②活力ある経済社会を実現する金融システムを構築する、③金融行政をさらに進化させる、の3つが挙げられており、コロナからの経済回復とそれを支える金融システム構築に力点が置かれています。
②金融システム構築の中で注目されるのは、「サステナブルファイナンスの推進」が取り上げられていることです。サステナブルファイナンスの推進に関し、日本が国際的な議論において主導的な役割を担うとともに、国内外の成長資金が日本企業の脱炭素化への取組みに活用されるよう、企業開示の充実、グリーンボンド等の認証枠組みや情報プラットフォームの構築による「グリーン国際金融センター」の実現等を図るとされています。また、各産業がカーボンニュートラルを実現するためのトランジション(移行)も含め、企業の取組みが適切に評価されるものとなるよう施策を進めるとされています。
企業にとっても、コロナ禍からの回復に向け、このような社会の変化をチャンスと捉え、機敏に対応していくことが求められます。